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呉羽松の実会・渡辺良春さん 木彫、洋画、川柳と創作意欲年々高まる95歳
「何とかの横好きですよ」。そう穏やかな笑みを浮かべるのは、化学メーカー・クレハのOBらで構成する「呉羽松の実会」の渡辺良春さん(95)。12、13日に錦町の勿来市民会館で開かれた「会員とその家族作品展」には木彫や洋画、川柳と多彩な作品を出品した。
さまざまな公募展での実績を持ち、現役時代から仕事の合間を縫って芸術に親しんできたが、創作意欲はいまでも年々高まっている。
呉羽松の実会は2019(令和元)年に最初の作品展を企画。ものづくりの世界に身を投じてきた人たちとあって、魅力あふれる作品が軒を連ねたが、新型コロナウイルス感染症の影響で6年ぶりの開催となった。
渡辺さんは呉羽化学工業(当時)に勤務していた40代のころ、木彫の魅力に目覚めて趣味とした。60歳から洋画を始め、それぞれの分野で県総合美術展覧会(県展)や県シルバー展、いわき市民美術展覧会(市美展)、いわき美術協会展などで受賞歴を有している。
さらに80歳からは川柳にも取り組むようになり、県老人クラブ連合会のカレンダーに採用される腕前だ。
「川柳は紙と鉛筆だけあれば書けるので、いま一番一生懸命です。ただなかなかいい案が浮かばないのですが」と冗談めかす。作品を出す機会があれば、いくらでも挑戦したいと力強く語った。
人生100年時代と言われて久しいが、芸術活動を通じて創造性あふれる人生を送る渡辺さんの姿に、私たちは勇気をもらえる。
(写真:自ら手がけた木彫や川柳を前にする渡辺さん)