いわき市の地域課題の一つに挙げられる「公共交通空白地域」の解消を巡り、新たに小川地区で11月から定額タクシーの実証事業を実施する。また域内交通を充実するため、同月から小名浜地区で路線定期運行、常磐地区でデマンド型による車両の運行を始める。
四倉、久之浜・大久地区で実証事業を行った定額タクシーに関しては、10月から社会実装する方針となった。定額タクシーの社会実装は遠野地区に次いで2カ所目。
第18回いわき都市圏総合都市交通推進協議会(斉藤充弘会長=福島高専都市システム工学科教授)が4日、市文化センターで開かれた。協議会には行政や交通事業者の関係者ら約30人が出席し、今後の取り組みを承認した。
小川地区の定額タクシーは11月1日~来年2月28日、地区内の15歳(高校生)以上が対象。1回あたり自己負担額は地区内が1千円、地区外(平窪、赤井の指定された商業施設、医療機関等)が4千円未満は1500円、同4千円以上は2000円とする。
上限なし。全日可、午前8時~午後6時。事前予約は不要で、あらかじめ運行事業者の平和タクシーに連絡する。利用に際してはあらかじめ登録が必要で、タクシーに乗車する際に送付された利用登録証を提示する。
併せて旧市小川支所に駐車場を設け、定額タクシーとの接続に利便性を図る。市の担当者は「パーク&ライドによって、特に高齢者の皆さんには慣れた地区内は自家用車を使い、地区外には定額タクシーで安全に向かってもらえる」と話している。
域内交通の充実を巡っては、いずれも一般乗合旅客自動車運動事業のため、国への申請が必要となる。現時点で来年2月までの予定で、乗車定員10人程度の小型車両2台を導入する。
それぞれの地区の実情に応じ、小名浜地区は岡小名や大原、湘南台など住宅地がエリア全体に広がっているため、路線定期運行として設定。常磐地区は湯本、湯長谷、桜ケ丘はじめ団地が点在しており、予約によって定められたポイントで乗降する。
(写真:今後の取り組みを承認した協議会)
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公共交通の空白解消 11月から小川で定額タクシー 小名浜、常磐では車両運行へ






