2019(平成31年)2月にJR湯本駅近くに開業した個人経営の映画館「Kuramoto(クラモト)」が、惜しまれながらも10月いっぱいで閉業する。
館長を務める蔵田悠子さん(福岡県出身)が、自らの育児の経験をもとに「育児をする世の中のお母さんたちに休息する時間を提供したい」との思いを抱き、大好きな映画鑑賞ができる場として開業したミニシアター。地域住民を中心に映画好きに愛されてきた。
しかし家族の都合で、地元福岡に引っ越し常駐できなくなったことに加え、本格的な駅前再開発が始まったことで上映する環境を維持することが難しくなり、苦渋の決断で閉業を決めた。11日からは感謝の気持ちを込めた最後のフェスが開催される。
「駅周辺がどのような発展を見せてくれるのか楽しみですが、地元では複雑な思いもある再開発になっていると感じる。湯本で暮らし、生きている人たちの意見が反映されるべき」と蔵田さん。
シネマフェスのテーマは地域の持つ力を信じ、「共生社会」。13日までの3日間、以和貴温泉神社、市石炭・化石館「ほるる」と連携し、映画上映や鑑賞感想会、映像制作ワークショップ、1980年代の湯本の映像の上映会などを行う。
クラモトでの最終上映は30日午後8時から。ただしコーヒースタンド「OtoCoffee」と今日は学校にいかない子と親の居場所「ツキイチ・クラモト」は11月以降も同じ場所で継続予定。
蔵田さんは「惜しまれるなんて当初は想像もしていなかった。本当に幸せなこと。ありがとうございます」と感謝を胸に、最後まで映画の灯をともし続ける。
(写真:10月末をもって閉業するKuramoto)
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湯本駅近くの個人経営映画館「Kuramoto」惜しまれつつ10月末で閉業へ






