いわき市や茨城県でスーパーマーケットを展開する「マルト」(本社・勿来町窪田、安島浩代表取締役社長)と、同県水戸市の常磐大による商品開発プロジェクトが、本年度も学生たちのアイデアを盛り込んで完成した。両者の商品開発は3年目を迎え、一貫して同県の野菜摂取量が不足している点に着目し、その魅力を発信する機会としている。今回は5種類の総菜やスイーツができあがり、8日から限定販売が始まった。
商品開発は、常磐大人間科学部健康栄養学科の飯村裕子准教授が協力。優れた栄養士の育成を目指す中で、特に意欲的な学生によるサークル「食品栄養研究会」の学生22人が参加した。
実施の背景には、茨城県はピーマンや小松菜、チンゲン菜などが農業産出額日本一にもかかわらず、県民の1人当たりの野菜摂取量が少ない点にある。
同県は2016(平成28)年度の調査で、男性290・9g、女性274・8gにとどまり、都道府県別でも中位に位置する(福島県は男性346・9g、女性314・3gでいずれも全国2位)。厚生労働省では1日に必要な野菜摂取量は350gとしており、茨城県としても底上げを図りたい考えから、商品開発には同県販売戦略課も加わっている。
昨年9月のキックオフイベントから、学生たちはマルトの関係者と意見交換しながら自信作を作り上げた。
このうち「IBARAKIの具 時短×健康×1品今日はこれでいがっぺよ!」(税込み431円)は汁物にも対応する野菜ミックスで、手軽に野菜不足を補える内容に。「パンプキンシュー&レンコンきなこシュー黒蜜添え」(同486円)は県産のカボチャとレンコンを使ったシューで、それぞれまろやかさと苦み・甘みを楽しみながら野菜を取れる。
「あにまるベジドーナツ」(同754円)はカボチャ、レンコン、小松菜、ニンジンをドーナツに採用し、食べやすい工夫を施した。「野菜たっぷりメンチカツ」(同431円)は県産のゴボウ、ニンジン、レンコンをメインに、60㌘の野菜がたっぷり入った一品だ。
「れんこんちぢみ ~野菜たっぷり~」(同431円)はもちっとした生地と、レンコンのシャキシャキ感が光り、1パック当たりの野菜使用料は100㌘を超える。
同大で2月28日にお披露目会が行われ、同県販売戦略課の杉山健介課長補佐、同大の富田敬子学長、マルトの安島大司・商品本部常務取締役本部長があいさつに立ち、学生たちの頑張りをたたえた。
商品の取り扱いは次の通り。
【IBARAKIの具―】▽8日から=全店(勿来駅前店を除く)
【パンプキンシュー&レンコンきなこシュー―】▽8、16、20日、4月5日=SC平尼子店、SC笠原店
【あにまるベジドーナツ】▽8、16、20日、4月5日=同
【野菜たっぷりメンチカツ】▽8日以降の土曜・日曜=SC中岡店、SC城東店、SC草野店、SC平尼子店、SC湯本店、諏訪店、SC滑川店、SC森山店、SC笠原店、元吉田店
【れんこんちぢみ―】▽8日以降の土曜・日曜=同
(写真:本年度も商品開発を行ったマルトと常磐大の関係者ら)
商店街ひろば
マルト×茨城・常磐大 本年度も野菜不足解消で商品開発 8日から販売始まる
