2020.11.13
コロナ禍のただ中だが、これ以上の経済停滞はならぬと「旅行」「食」に特典を付けたキャンペーンが始まっている。人が動くことでリスクも考えられるが、今のところ感染防止対策を万全にした上でと思うしかない▼春先からさまざまな催しが中止されてきたが、ここにきて少しずつ文化・芸術に関する展示会が始まっている。先日、ある絵画サークルの作品展を取材した際、題材を山陰の奥出雲をテーマにした会員の方と話した▼なぜこの地なのか。東日本大震災後、親族が住む島根県のある市に数日間、身を寄せた。帰る頃、地方紙で被災者に対する自治体の支援制度を知り、手続きをした。面倒な書類は必要とせず、この地に少し住むことを条件にまとまった金額が支給されたという▼滞在は延長されたばかりか、これを機に毎年いわきと同県を往復するスタイルを楽しんでいる。さらに歴史を重んじる出雲地方独特の精神的風土にも、尊敬の念を込めていた。