2021.05.28
ある事情で社の蔵書を整理している。といっても業務の合間に行うので、都合のつかない時は、つい人任せになってしまう。大方は献本類が多く、興味を引くものは正直あまりない▼山積みの書籍類を前にこれというものを選別するのは骨が折れる。出入りする古本屋さんによると、単行本はあまり市場価値はないという。地域に限定すれば社史、過去の地域パンフレットなどが喜ばれるらしい▼埋もれた書籍の中に本紙創刊から十数年にわたり力添えされた、元衆院議員関内正一氏を偲ぶ思い出集『とうふの味』があった。初版は関内氏没後の昭和40年。平成3年に財団法人龍ケ城美術館が再版した計2冊▼当時の船田中衆院議長の序文に始まり、親族、いわきの政財界の重鎮らが思い出を綴っている。さらに昭和30年代に自民党副総裁を務め、義理と人情の政治家で知られた大野伴睦氏の逸話も紹介されている。いわき市の新産業都市指定に関わった人物でもある。