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2021.09.21

歴史はたしなむ程度だが、地質学、断層がこれほどまでに土地の歴史や文化に影響を与えているとは考え及ばず、浅はかな知識に猛省を繰り返している▼特に参考としているのは、NHKの「ブラタモリ」。長野県・諏訪を舞台にした第182回では、温暖化によって海面が高くなる「縄文海進」を背景に、糸魚川―静岡構造線活断層帯(糸静線)が生んだ黒曜石を求めて縄文人が集い、やがて諏訪大社への詣でに繋がった、と紹介した▼前回は国宝・松本城の成り立ちを糸静線と、複合扇状地が生んだ豊かな水にあると解説。いまほど地学の概念がなかった先人の卓越した分析力に、脱帽するしかない▼歴史や地域を理解するには断層への知識を深める必要があると確信を持つ一方で、糸静線、柏崎―千葉構造線に原発を置く現代人の浅はかさを思うと、気が滅入る。本県にも複数の断層が走る。過ちを繰り返さないためにも、先人たちの知恵の上に新たな学びを重ねたい。

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