2022.09.01
最近、並木通りの再開発はどうなったのと聞かれることがよくある。解体工事が終わり更地になったものの肝心の建物が建たない状況を見てのことだ▼もちろん工事がストップしているわけではないが停滞しているのは事実。理由は平城跡の発掘作業のためだ。埋蔵文化財保護法により発掘作業が義務付けられており、やむを得ないことだがそこには理解に苦しむことも多い▼発掘経費に関しては法的に明記されておらず、法人所有の土地に関してはその法人が負担することが通例とされている。営利目的というのがその理由と思われるが利益を追求しない再開発組合をその法人とみなしていいのだろうか▼それだけではない。全国に2万4千か所にも及ぶ埋蔵文化財包蔵地の取引の際、発掘費用が発生するとすれば土地の適正価格よりも安く売買されることになり、ひいては経済の停滞を生むことにもつながる可能性もある。過去の検証も大事だが輝かしい未来も考慮すべきだ。