2022.09.06
30年近くも前になるが、学友と一緒に大手スーパーでのアルバイトに明け暮れた。その日最後の授業を終えるとすぐ店に滑り込み、閉店までの数時間、友人は精肉、抄子は乳製品コーナーで汗を流した▼商品の前出しや補充、賞味期限の近い商品に割引きの値札を張る。社員の指示で発注数も決めるが、市規格の数倍も大きいごみ袋数個分の食品を毎日廃棄処理する現状を間近にし、学友と一緒にあ然とした▼農林水産業によると、一昨年の食品ロス量は522万㌧。多くが事業系かと思いきや、このうち家庭から発生する量は247万㌧にも及ぶ。統計を開始した平成24年度以降で最少というものの、消費者庁は世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた食糧支援量の1・2倍に相当すると指摘する▼わが家でも食品ロスを極力減らすため〝使い切る〟ことを念頭に、必要なものだけを買うよう心掛けている。大切な資源の有効活用や環境負荷への配慮は、まず家庭から始めよう。