四倉・ひまわり信金で心平の書展 未公開の色紙など披露 本紙協力の紹介も
いわき市小川町出身の詩人草野心平の生誕120周年記念「書展」が、ひまわり信用金庫四倉支店(四倉町字東四丁目、鵜沼敏治支店長)で開かれている。
草野心平(1903~88)は詩作のみならず、堂々とした力感ある筆遣いの「書」も知られていることから、同展を企画した「小泉屋文庫」主宰の地元学研究者・緑川健さん(54)=四倉町=所有の書をはじめ、心平の縁者で本紙連載中の「長橋だより(現雑學ゼミナール)」執筆者、元市立草野心平記念文学館副館長の関内幸介さん(75)=明治団地=所蔵の直筆色紙、未発表の原稿(複写)など貴重な資料が展示されている。期間は7月中旬までの予定。
緑川さんによると、今年のいわき民報元日号「草野心平生誕120周年記念特集」の執筆が、同展開催のきっかけという。近年入手した心平揮ごうの墨書『天玄地黄(てんげんちおう)』(縦63cm、横32cm)をテーマに、自身の考えを一文に綴った。
展示では、関内さんが持つ未公開の心平直筆の色紙から、心平が公私ともに信頼し、最晩年までを支えた山田久代さん(1922~2011)に宛てた3点も紹介している。併せて、関内さんが生前の山田さんから寄贈された、心平直筆の「最後の詩」とされる原稿(複写)も公開され、弱弱しい文字から心平の複雑な心情と事情を垣間見ることができる。
いわき民報では、関内さんの了解・協力のもと、この原稿の存在を昨年4月16日付1面で記事化したところ、メディア業界紙『文化通信』を発行する文化通信社(東京都千代田区)主催の地域ジャーナリズムを全国に発信する、第2回「ふるさと新聞アワード」の「ひと部門」で最優秀賞を受賞した。
観覧時間は平日午前9時~午後3時(午前11時半~午後0時半は除く)。問い合わせは、同支店=電話(32)3311=まで。店内の写真撮影は不可。