『教養としての生成AI』
著 者:清水 亮
出版社:幻冬舎
価 格:1,034円(税込み)
多くの例を挙げてAIの仕組みわかりやすく説明
最近、ニュースでAIがよく取り上げられる。数年前にこの欄で紹介した本では、AIはまだ東大に合格できないと言われていた。しかし現在、AIは東大どころか医師国家試験や司法試験に合格できる。
ではAIとはなんなのか。この本では特に生成系AIについて、どのようにして今のブームが起きたのか、AI研究はどのように発展したのか、生成系AIとは何か、どのような仕組みなのか、何ができるのか、どのように扱えばいいのか、そしてAIが当たり前になった社会でどう生きるべきかが語られている。
AIの仕組みの説明はどうしても専門的になるが、その他の部分については例を多く挙げてわかりやすく書かれている。作中、印象的だったのはAIを鏡に例えていたことである。鏡は現実を精緻に写すが現実そのものではない。AIはあたかも人間のように振る舞うが、それは人間を写しているだけで人間を理解しているからではない。AIを知りたい方におすすめの一冊である。
(ヤマニ書房本店勤務)
※紹介する人:馬目裕一さん