2012.08.03
東日本大震災などの影響で昨年の夏は淋しいものだった。今年、いわき南部では県内唯一、勿来海水浴場が開設されたが例年のにぎわいにはほど遠い。そんな中、先月28日に「なこそ夏まつり」が2年ぶりに復活した▼いわきおどり勿来大会、なこそ鮫川花火大会は予想通り大勢の市民が来場。パワフルな踊り手の熱気にふれ、頭上で炸裂する花火を堪能した。1年のブランクを経た一大イベント。その陰で、安全最優先に大会の運営に努めた関係者の労苦を思う▼翌日の「四時ダムまつり」と休む間もなく取材は続いたが1日、錦町・御宝殿熊野神社例祭での「黒獅子舞」は一見の価値があった。発祥地、山形県長井市の保存会が被災地支援のため奉納した▼同市はアヤメの名所でも知られるが市内全域には40の保存会があるという。舞の最高潮は、荒ぶる黒獅子と渾身の力で制しようとする警護役のシーン。今年だけの披露では、惜しい伝統神事であった。