2013.09.23
口を開いて意思を伝える重みをあらためて痛感する出来事が続いた。まずは視覚障害者が講師を務めた小学生向けの盲導犬体験教室でのこと▼講師の男性は、目が見えないとは日常においてどういう状態なのかを、設問形式で説いていった。子どもたちもまじめに耳を傾けていた。しかし講師の問いに「イエス」の場合、子どもたちは文字通り、首肯して答えるのだった。「声を出して」との講師の呼びかけに、言葉を発することの大切さを再考した▼過日、彼岸に合わせ菩提寺に詣でた。社務所で渡された冊子に記されていたのは、仏教の十善戒について。不殺生に始まる十善戒は、体と心に関する項目がそれぞれ3つ、残る4つは口(言葉)に関するものだった▼それは、不妄語(正直に話す)、不綺語(よく考えて話す)、不悪口(優しい言葉を使う)、不両舌(中傷しない)。こちらからは話す際の心構えと、口にする言葉そのものの大切さを、今さらながらに学んだ。