2010.05.20
運転免許証の更新に行った際のこと、先に視力検査を受けた人が輪の切れ目をほとんど答えられない。案の定、両眼で0・7以上という規定に満たず、眼鏡を用意して来るようにと告げられた▼さして高齢には見えなかったのだが、年齢とともに判断能力や身体機能が衰えるのは避けられない。高齢や健康の問題などで運転免許証を返納した人が昨年、前年に比べ75%も増えて5万1086人に達したという▼改正道交法の施行で認知機能検査が義務付けられた影響もあるようだが、自動車などの運転者全体の死亡事故は減少しているのに、70歳以上の死亡事故が昨年までの10年間で倍増していることを考えれば、返納は喜ばしいことだといえる▼ただ、地方の公共交通網が乏しい地域では自動車がなければ暮らしが成り立たないこともある。交通事故防止には、運転免許証返納の推進に合わせて、運転せざるを得ない者への交通安全対策と、一般運転者の理解が欠かせない。