2010.10.15
先日、ある方の葬儀に参列した。受け取ったお返し物の中には「生前は大変お世話になりました。父が最後に手がけたお米です」と喪主の添え書きとともに、3合ほどの新米が入っていた▼俗に88日間の作業を必要とする米作り。今年は春先の寒さに続き、記録的な猛暑と体調のすぐれぬ故人にとっては辛かったかもしれない。早速、炊き上げてきらきらと光る銀飯をいただいた▼秋が深まるにつれて山海の幸が多く出回っている。新米はもとよりサンマ、戻りカツオ、キノコ、サツマイモ、果物などご飯のおかず、酒肴にもぴったりの季節だ。そんな中、来月末には田人町で恒例の「たびと産スローフード・ラリー」が開かれる▼同町の12飲食店が地元産品の自然薯を使い、オリジナリティーあふれる料理を提供。創作料理は予約が必要だが、各店共通1品500円と手ごろな料金設定。3週間にわたるロングラン企画。晩秋、初冬にかけて田人の味が堪能できる。