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2010.11.20

 横浜地裁で16日、裁判員裁判としては初の死刑判決が下された。2人を殺害し、命ごいする被害者の首を生きたまま電動ノコギリで切断し海に捨てるという残虐この上ない犯行だった▼しかし、裁判長は「控訴を申し立てることを勧める」とも述べた。被告の命を奪うことになって苦悩する裁判員を考慮してのことだと言われている。一般市民の感覚を公判の中で生かそうと生まれた裁判員制度だが、死刑を求刑された裁判まで素人に判断を委ねていいのだろうか▼市民感覚を逸脱した犯行を裁判員が冷静に審理することなど無理な話。もし仮に2審以後の裁判で被告が無期懲役になったからといって、今回の裁判員の苦悩が晴れるはずもない▼法の最高責任者である法務大臣の失態は話の外だが、信頼が揺らいでいる検察に続いて、裁判でも重い判決を自らの責任で下そうとしない結果となったことに抄子の不信感は募るばかり。彼らに司法のプロとしての矜持は見えない。

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