2011.04.30
今年初孫となる男児を授かった近所の人が初節句を前に「この時期に、鯉のぼりを揚げていいものかどうか」と悩んでいた▼震災に遭われた人たちに配慮して、自粛ムードが続いている。同じ市民として悲しみを共有することはとても大切なことだ。しかしその一方で、余力のある人は今回の大震災で停滞気味のいわきの活力源となるべく、ひと足先に震災前の生活に戻って県内外に元気ないわきをアピールする使命があるのではないか▼震災から50日。広い面積のいわきは、震災の明暗がはっきり分かれている。人命と財産を失った人たちの苦境を忘れてはならない。それと同時に、風評被害の逆風をはね返すいわきのイメージアップのために、やるべきことはたくさんある▼自粛するのはたやすい。しかしそれは、一歩間違えば同情の安売りになりかねない。余力のある人たちが被災された人に代わって停滞ムードを立て直す。鯉のぼりを立てることなど何でもないのだ。