2011.06.29
東日本大震災後、被災地で配給の水や食糧を得るのに辛抱強く順番を待つ日本人のことを、外国メディアは礼節を重んじる素晴らしい国民性と紹介していた▼その一方で、震災で家や職を失い苦しい生活を続けている被災者、そんな人たちを応援する支援者の善意の気持ちを踏みにじるような詐欺や窃盗事件が相次いでいる―と言う話を聞くと、日本人の中にもいろんな人たちがいるものだと、あきらめの感情と同時に悲しくもなる▼先日も県内で国土交通省の職員を名乗る男が「震災で部下が亡くなった、自分の部下にならないか」と、言葉巧みに話を持ちかけ、アルバイト男性から43万円をだまし取る事件があった。このほかにも還付金詐欺や被災地を狙った空き巣など、被災者を食い物にする犯罪に怒りを覚える▼震災で生活の基盤を失い、弱い立場の人を狙った悪質な犯罪。空き巣にしてもそうだが、自分だけは大丈夫と思わず、注意するに越したことはない。