2011.10.08
障がい者が書いた詞に健常者が曲をつけてステージで発表する「会津わたぼうし芸術祭」が、今年も10日に会津若松市の会津風雅堂で開かれる▼いわきから入賞した人たちの取材を兼ねて何度か聴きに行ったことがある。音楽を媒体として障がい者の可能性を広げ、社会参加と交流の輪を広げるこの手作りのコンサートは奈良県が発祥の地。タンポポのわたぼうしのように全国に飛んで根づき花開いてもらおうと名づけられた▼熱心なボランティアによって支えられたこの芸術祭も、風雅堂では今年が最後となる。今後は県内各地に出向いてコンサートを開くというが、決して後退ではない。「規模は小さく、しかし希望は大きくもって継続したい」と実行委員会の方が話していた▼ことしは、これまで発表された作品がもう一度演奏される。初めて脳性まひの方とじっくり話す機会をもてたのも、この取材がきっかけだった。ラストコンサートをしっかり見届けたいと思う。