2011.10.19
秋の訪れとともに、日本列島の北から南へ紅葉前線が降りてくる。市内でも休日ともなれば、紅葉を愛でながらのイモ煮を楽しむ家族連れが増えるのもこの時期▼しかし、今年はそういった光景が見られないかもしれない。東京電力の原発事故での放射能もれ問題で、野外でのレジャーを控える傾向にあるからだ。野生のキノコ類にも大きな影響を及ぼし、遅々として進まぬ除染に業者は頭を痛めている▼さらに放射能による海洋汚染の広がりで、いわきの水産業は手痛いダメージを受けたばかりか、今年の夏は海水浴客も激減。いわきの経済を支える水産と観光という2大産業が厳しい状況に陥っている。農業も含め放射能問題が解決されない限り、いわき再生は望めない▼来月になれば冬将軍がかけ足でやってくる。色とりどりの紅葉を楽しませてくれた木々も、落葉とともに休眠する冬を迎える。やがて来る春に備えてオールいわきの精神で厳冬に耐えていこう。