2012.04.06
先日、『いわき市勿来地区地域史1』が発刊された。サブタイトルには〝先人と未来人の絆(きずな)を紡ぐ歴史を今に〟とある。全271ページでなかなかの労作。価格も1000円と手ごろだ▼海、山、河川を包括する勿来地区。その自然環境の解説から原始、古代、中世、近世までの歴史を詳しい記述とイラスト、写真を多用した分かりやすい内容になっている。ワンポイント的にある囲み記事「歴史の一滴」が雑学の趣を持つ▼例えば「菊多と菊田、どっちが正しい」「幻の焼き物なこそ焼き」「謎多き勿来八景」など興味深い13テーマが紹介されている。制作した同史編さん委員会は25年度中に明治から現代までを集約した2、3巻を順次刊行する予定▼昨年発生した大震災では、あらためて自分たちが住むまちと地域コミュニティーを再認識することになった。将来、地域おこし、まちおこしを考えた場合に、本書の存在は一助になるだろう。続刊に期待が高まる。