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2012.07.09

お天道様は見ているよ―幼少時に1度は言われた覚えがあるだろう。悪さをした時、周囲にこういわれると、本当にそんな気がして反省し、自分を戒め成長する。それが人だと思う▼滋賀で昨秋自殺した男子中学生は、いじめを受け自殺の練習までさせられていた。死後にそれを認識した市教委も、調査結果を公表せずにきたという▼多くが命の尊さをかみ締め生きていた震災後に、いじめをしていた人間はもちろん市教委も「お天道様」の存在を忘れていたようだ。回答内容の真偽も確認せず「自殺との因果関係は不明」とは、死後にさえ彼を救わない気だったのか▼大平光代の『だから、あなたも生き抜いて』を思い出す。いじめに遭い自殺未遂、その後非行に走った著者の自伝だが彼女は、見守ってくれる人がいて救われ立ち直った。それも第一に生きていてこそだと思う。だからもし今絶望の淵にいる人へ―必ずどこかに見ている人がいる、何があっても死なないで。

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