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2012.12.08

ファミリーの本家となるわが家では、毎年盆・正月になると市内外から親類筋が集まって、互いに元気な顔を見せ合い、近況を報告しあう▼普段ひっそりしている茶の間もこの期間ばかりは酒宴の場となり、おじやおば、いとこ、めいやおいっ子たちとの束の間の再会は、家族のきずなを確かめ合う大切な時間でもあった▼仮設住宅で暮らす人にこの話を向けたら悲しい表情になった。双葉郡という海と山に挟まれた自然豊かなふるさともまた、実家を離れて暮らす家族たちの心のよりどころとなっていた。ところが原発事故以降、彼らを迎え入れるはずの本家は無人のまま風雨にさらされている▼「こんな狭い仮設に泊める部屋なんてないし、だからといって、こっちから息子たちのところへ行く気にもなれなくてね。仮設で過ごす正月は味気ない。どうしたらいいんだろう」とさみしそうに笑った。仮設に限らず、自宅を追われた被災者たちは2度目の年末年始を迎える。

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