2014.07.19
若いころ、平地学同好会長を長く務めた故柳沢一郎先生から「いわき市は古生代・中生代・新生代すべての地質年代を代表する貴重な標本を産出する全国有数の〝化石の宝庫〟だ」という話をよく聞かされた▼まだ市石炭・化石館はない。県立博物館誘致の願いは会津若松市に取られることになり、発掘された化石や鉱物類はといえば、一部が市文化センター科学展示室に細々と飾られていた▼その柳沢先生に紹介されたのが四倉小の校庭の片隅にあった『四倉史学館』だ。古くて薄暗く、少しかび臭い建物の中に、化石やら土器やら、古い書物やら民具やら写真やらが展示されていた記憶がある▼平成4年に閉館するまで、そこには博学の先達がいて、館に出入りしながら薫陶を受けた若者たちが後に学術的に貴重な化石を次々に発見していくのだ。その宝箱のような四倉史学館収蔵化石展がアンモナイトセンターで始まった。夏休みに入った子どもたちにぜひ見てほしい。