2015.03.19
「3・11」から1週間以上が過ぎメディアの関心は震災関連から北陸新幹線開通、そして発生から20年となる地下鉄サリン事件へと移っている。あまのじゃくかもしれないが、ここにきてあえて震災を語ってみようと思う▼毎月11日の警察による一斉捜索の記事を目にするたび1人でも多くの痕跡が見つかってほしいと思うが、永遠に行方不明のままの人がいることも想像に難くない。そんな中、最近気になっているのは震災幽霊の話だ。科学技術が進歩した現代だが、被災地における幽霊の目撃談は少なくないという▼科学的根拠は無くとも、幽霊がいないとは言い切れないという考えを持っている。震災犠牲者の声を綴ったような小説『想像ラジオ』(いとうせいこう著)の文庫版が出たと知り、早速手に取ってみたのもそれゆえだ▼私たちは生と死をどう受け止めて生きるべきか―大切な人を失った人々を何らかの答えに導くような内容に、救われる人がきっといるだろう。