2015.03.23
テレビのクイズ番組を通し、面白い話を知った。フランスの化粧品会社の商品モニターには、日本人が多いそうだ。理由は「肌に対する表現が、日本は他の国よりも豊富だから」とか▼「さっぱり」「しっとり」だけでなく「つるつる」「ぱさぱさ」「ぷるぷる」など、肌の状態を表す言葉はいくつも出てくる。化粧品の使い心地をこのように細かく示すことが、品質向上や新製品の開発に結び付くということか▼では、なぜこれほど言葉が豊かなのか。解説していた識者は「大切に考えるものに対しては表現が細かくなる」という旨を話した。つまり、日本人は他国の人より、肌への関心が高いということらしい▼よく「日本人は自然に対する表現が豊かだ」といわれる。確かに日本語には、天候や寒暖、山野の風景、太陽や月の光さえも、その時々に応じた多彩な表現が存在する。これは、われわれが四季の豊かなこの国で、それだけ自然とともに生きてきた証しに相違ない。