2015.04.04
いわきが登場する小説や詩、短歌、俳句、エッセーなどを紙面で紹介しようと、これまで「いわき文学風土記」「風の文学碑」、そして現在の「いわき文学紀行」と断続的に連載している▼文学に詳しい方たちから寄稿していただき新しい発見をしたのもたびたび。文学作品だけでなく、お遊びで映画(『人間の証明』久之浜)や漫画(『ドカベン』いわき東高校)も加えてみた▼書店にずらり並んだ文庫本の中から偶然手にした1冊に、昔の平駅が登場するエッセーがあったこともある(沢木耕太郎『バーボンストリート』)。わが家がある戦中戦後の渡辺町が登場する『新しき耕土』の著者上泉秀信は、高校時代の恩師の父だと知って驚いた▼作品を読み返すと、どれも今のいわきにはない懐かしい情景が行間からにじみ出てくる。こうした文学作品からふるさとの良さを感じ取ることができる。実際に文学碑は建てられずとも埋もれたいわきの作品を発掘していきたい。