2015.06.24
未曾有の大震災も、4年も経てば風化が進む。被災地といわれるいわき市で暮らす私でさえ、日々の生活に追われ頭の中から消えることも▼4年で風化なら70年前の出来事など忘却の彼方だろう。昭和20年6月23日、沖縄で組織的戦闘が終結、数カ月に及ぶ日米の戦いによって数多くの同胞の血が流された。以後、沖縄は日本に本土復帰を果たした今も、米軍の基地の街として戦争の傷跡に苦しめられている▼戦後日本は過去の過ちを二度と繰り返してはならないと、平和憲法の下戦争放棄をうたってきた。ところがここにきて、安全保障関連法案をめぐる国民の不安の声を無視してまで、安倍首相は憲法9条を変えずに政治解釈の中で集団的自衛権を認めようとしている▼是々非々は別にして、与党の中だけで半ば強引に決めてしまうことには反対だ。先の大戦では多くの国民が異を唱えることなく沈黙した。この平和を守るためには、今こそ国民1人1人が声を上げなければならない。