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2015.10.10

相変わらず子どもへの虐待が増えているというニュースを見ながら、暗澹とした気持ちにさせられた▼連絡なしに子どもが学校に登校してこない、体に不審な傷跡があるといった事実を把握しながら、児童相談所などは「緊急性がないと思った」という詭弁に終始し、いったん保護した子どもを親に帰したと伝えていた▼また同じことの繰り返しだ。いつもならこれに「プライバシーの問題で、これ以上家庭に踏み込めなかった」という理由が加わる。これではストーカー犯罪と同様に、被害者が死んで初めて慌てて動くような結果になりかねない。児童相談所、学校、警察といった関係機関が手をこまねく事情があるなら、なぜ職員を増やしたり権限を強化しないのか。当事者はもっと声を上げるべきだ▼何より心配なのは、せい惨な家庭環境に育ち、家族愛を知らない子どもが将来、どんな大人に成長するか、だ。子どもは親を選べない。不幸なことでは済まないだろう。

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