2016.06.15
「のど元過ぎれば暑さ忘れる」ではないが、未曽有の被害を出した東日本大震災も、5年たてば日々の生活に追われ、頭の中から消えることもある▼市内では災害公営住宅の建設が急ピッチで進み、津波被害が甚大だった沿岸部の防潮堤の建設も順次行われている。清水市長は年を追うごとに復興のつち音高く、いわき市も震災前の状態に戻りつつあると言う▼そんな時に起きたのが、熊本地震。2カ月たった今も余震が続き、避難所で生活する人たちの不安や悩みはいかばかりか。全国から被災者への義援金や支援物資が寄せられているが、こうした善意の行為を踏みにじるような、義援金を募る詐欺事件を聞くと心が痛む▼東日本大震災の時にもあったが、火事場泥棒的な犯罪がなぜ起きるのか、理解に苦しむ。だまされないためにも、相手や義援金の振込先を十分に確認することが大事だ。ただ、詐欺を警戒するあまり、善意の心が失われるのだけは避けたい。