2016.08.01
夏本番の8月、日中の気温の高さと日差しの強さに音を上げている人は少なくないだろう。かんかん照りもきついが、風もなく薄日がじりじりと照り付け汗がにじみ出る油照りも耐え難い▼そんな日は、夕暮れが待ち遠しいのも誰もが同じ。「夏は夜」とは『枕草子』の一節だが、現代人の多くも全国各地でうなずいていることだろう。もっとも、清少納言が愛でたのは、満月であったり、また新月のころのホタルが飛んでいる光景だったりで、その趣を今の街中に求めることは難しいのではあるが…▼今の私たちが、「夏の夜」と言って、思い浮かべるのは、花火や七夕行事、盆踊りといった類いではないだろうか。楽しさの中にも、郷愁や伝統、風情を感じさせるこれらは、やはり日本の夏の象徴に違いない▼当地でも今週は、小名浜のいわき花火大会、平七夕まつりと、長く市民に愛されてきた行事が展開される。まずは天候に恵まれ、大勢の人が楽しめることを祈るのみ。