2017.01.24
横綱になるには「2場所連続優勝またはそれに準ずる成績」を挙げるという内規がある▼五輪日本代表選考のケースも、指定された大会での上位選手一発選考ではなく、過去の実績と複数の大会の成績を考慮したときがあった。しかし含みを持たせた選考の場合は、疑念や後味の悪さを残すことが少なくない▼含み。広辞苑では「直接の表現のかげにかくされている意味・内容」とある。いかにも日本人的だ。スポーツに限らず政治の世界や法律の条文にもしばしば登場する▼「準ずる成績」に翻弄された横綱がいる。稀勢の里と同じ直前3場所10勝、12勝、14勝で昇進した北尾こと双羽黒は千代の富士だけの1人横綱解消の恩恵に預かったが、優勝経験のないままトラブルを起こして廃業した。その北尾問題の煽りを受けた旭富士は、年間73勝(稀勢の里は69勝)を挙げても、5場所連続12勝以上でも見送られた。2人とも横綱在位はわずか9場所。さて新横綱稀勢の里は?