2017.06.26
日常の風景も特に注意しなければ、時間とともに過ぎていく。白々とした空き地の前を通る時など、以前存在した建物が思い出せない場合がある▼その点、写真に残すと記憶が鮮明によみがえる。あす27日からいわき総合図書館5階地域資料展示コーナーで「写真でみる いわき市誕生その2」が始まる。サブタイトルに〝昭和40年代 平(現いわき)駅前の賑わい〟と付く▼旧磐城平藩の城下町、常磐炭砿の好景気に活気づき商業で栄えた旧平市。駅前を中心に数多くの商店、飲食店、歓楽施設が軒を並べた。時代の推移とともに商業圏は郊外に移り、現在にいたるが、写真展は最後の輝きを放った時代を紹介する▼東日本大震災以降、復旧・復興にかかわる事業で多くの人が本市に移入、一時的な経済効果をもたらしたが犠牲の上に成り立つ利潤などは本来の姿ではない。今秋の市長選には3氏が名乗りを上げた。政策論争を軸に堂々とした主張を期待する。