2018.12.01
かつて双葉郡富岡町の中心市街地、国道6号交差点の一角に「東京電力福島第二原子力発電所エネルギー館」があった▼おしゃれなデザインの洋館ふうの建物はエジソン、アインシュタイン、キュリー夫人の生家をモデルにしたと聞いている。一度だけ見学したことがある。個人で突然の訪問だったが、係のお嬢さんが丁寧に原子力発電の仕組みや安全性などについて模型やパネルを見ながら館内を案内してくれた▼大震災と原発事故から7年を経て、エネルギー館は「廃炉資料館」としてよみがえった。第一原発構内の様子や廃炉に向けた作業の現状、作業終了までの中長期目標、安全対策、地震発生・事故直後の取り組みからの反省と教訓、原子力や廃炉に関する資料や情報公開コーナーなどがある▼これは東電の施設だが、原発事故の被災を深刻に考えているなら、いわき市にもこうした科学やエネルギーに関する常設の未来志向の施設がぜひ必要であると思うのだが。