2020.4.25
『リンゴの唄』といえば終戦の年、昭和20年に発表されて大ヒットした名曲だ▼もののない時代、1個のリンゴは戦後復興の象徴となり、その明るいメロディーは敗戦で打ちひしがれた人々の心に希望の灯をともした。<復興支援ソング>のさきがけだ▼ 東日本大震災では『花は咲く』が流れた。飢餓と貧困に苦しむアフリカの人々を支援するため昭和60年に発売された『ウィ・アー・ザ・ワールド』では世界の著名なミュージシャンが各パートに分かれて歌い継いだが、『花は咲く』も同様の手法で各界の有名人が被災者に歌声を届けた▼今回の新型コロナでは、<SING FOR HOPE プロジェクト>として『上を向いて歩こう』が取り上げられている。有名人だけでなく、一般の人たちも投稿した動画で参加しているのが特徴だ。感染した人、医療従事者、休校や営業自粛で厳しい環境に置かれた人。「みんなで乗り越えよう」というメロディーはどれだけの励ましになるか。