2020.12.8
「私たちの玉手箱を舞い降ろすことができました。中を開けるのが楽しみです」▼宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」のカプセルが6日、6年ぶりの帰還を果たした。本体は次のミッションに移行したが、『玉手箱』には小惑星の石などが入っているとみられ、太陽系の成り立ちや生命の起源に迫る情報の入手に期待がかかる▼探査機には本県をはじめ国内の先端技術が数多く搭載されているが、最大の特徴はイオンエンジン。大出力エンジンと比べ探査時間はかかるものの、小型で燃費に優れ、何より予算確保に苦労が見えるミッションの成功には欠かせない技術となった▼イオンと言えば、探査機には常磐に事業所を置く古河電池製のリチウムイオン電池11個が搭載された。初代、金星探査機「あかつき」に続く貢献ぶりは、いち市民として誇らしく思う。今年は暗い話題が先行しただけに、最後にきぼうの光が心を明るく照らしてくれた。