2022.03.09
東日本大震災の発生から11日で11年になる。当日は各地で犠牲者を悼む慰霊祭が行われる▼県内では被害の大きかった浜通り沿岸部を中心に復興が進む一方で、福島原発の廃炉作業は遅々として進まず、避難者の中には今も戻ることが困難な人たちがいる。漁業関係者を無視した処理水の海洋放出、県産農産物に対する根強い風評被害と、解決の糸口さえつかめないものがある▼大震災後、国内では地震、大雨、台風と、自然災害が相次ぐ。市内でも東日本台風では多くの地域で甚大な被害に見舞われた。時間の経過とともに災害の記憶の風化はいたし方ないが、災害によって家族やすべての財産を奪われた人たちへの、物心両面にわたるサポートは忘れないでほしい▼自然災害は自然現象によって引き起こされる災害を指すが、人災によって起こる交通事故や火事といった、災いも含めれば災害はさらに増える。注意を怠らず、日ごろから災害への備えはしておきたい。