2022.04.05
「見るめかる あまのゆきゝの湊ぢに なこその関もわがすゑなくに」。市勿来関文学歴史館近くの詩歌の小径には、小野小町の恋愛歌をはじめ、古の歌人、俳人らが詠んだ歌などの碑が並ぶ▼関公園にある曽祖父の筆塚を訪れた際、後学のためにと娘を連れて小径を巡った。じっくりと歩くのは20年ぶりか。碑の汚れが気にはなったが、時が止まったかのように〝何も変わらない〟
景色に複雑な思いが浮かんだ▼当時と違うのは、吹風殿の存在。10歳そこそこの娘たちは、教わったばかりの歌人が勿来関を詠んでいたことに驚き、吹風殿の立派さに目を奪われていた。ただコロナ禍とはいえ、平時の閑散が気になった。約2年半前、同所で催された金春流薪能の神秘的な情景に心揺さぶられるほどの感動を覚えただけに、その思いは日増しに強くなる▼いわきを代表する教育文化、観光資源としてこのままでいいのか、と。宝の持ち腐れだけにはしてほしくない。
「見るめかる あまのゆきゝの湊ぢに なこその関もわがすゑなくに」。市勿来関文学歴史館近くの詩歌の小径には、小野小町の恋愛歌をはじめ、古の歌人、俳人らが詠んだ歌などの碑が並ぶ▼関公園にある曽祖父の筆塚を訪れた際、後学のためにと娘を連れて小径を巡った。じっくりと歩くのは20年ぶりか。碑の汚れが気にはなったが、時が止まったかのように〝何も変わらない〟景色に複雑な思いが浮かんだ▼当時と違うのは、吹風殿の存在。10歳そこそこの娘たちは、教わったばかりの歌人が勿来関を詠んでいたことに驚き、吹風殿の立派さに目を奪われていた。ただコロナ禍とはいえ、平時の閑散が気になった。約2年半前、同所で催された金春流薪能の神秘的な情景に心揺さぶられるほどの感動を覚えただけに、その思いは日増しに強くなる▼いわきを代表する教育文化、観光資源としてこのままでいいのか、と。宝の持ち腐れだけにはしてほしくない。