2022.09.27

　８月のとある日、匿名の封書が届いた。中身は「山の木々の異変」。郊外の団地に暮らす市民からで、10日ほどの間に裏山の一角がみるみる枯れていった。何とも言えない不気味さに、居ても立っても居られず投書したそうだ▼結論を先に言うと、原因は本紙で幾度も取り上げている「ナラ枯れ」。確かに今年の急拡大していく様子は、驚くほどだった。茶に変色している木々を不思議に思った読者諸兄姉も少なくないのではないか▼不定期連載「夕刊発・磐城蘭土紀行」の投げ掛けから始まった、ナラ枯れ報道。一昨年から追いかけているが市民への浸透はまだまだのようだ。枯れるだけならまだしも大木が朽ち果てると倒木や落枝に限らず、土砂災害を引き起こす最悪の事態も予想される▼同紀行では猛毒キノコの注意も喚起する。病気を引き起こす昆虫「カシナガ」を防除し、伐採すればいいという簡単な話ではない。対策は相当の費用がかかる。個人では無理がある。