「コロナ禍に友と楽器を奏でうる喜び語る生徒らの笑み」。新春恒例の「歌会始の儀」が18日、皇居・宮殿「松の間」で開かれ、天皇陛下が「友」の題に詠まれた歌だ。一昨年10月に和歌山県で開かれた国民文化祭で、吹奏楽部の高校生とオンラインで懇談した際のことを振り返られた▼吹奏楽が盛んないわき市も、例外なくコロナ禍の影響を受けた。まだ未知の感染症だった令和2年、3月の全日本アンサンブルコンテストが中止となり、出場を決めていた磐城高のフルート6重奏が、落胆する様子の取材は心が痛んだ▼あれから3年。磐城高のフルート6重奏は再び同じ楽曲を取り上げ、東北大会へコマを進めた。メンバーは「プレッシャーもあるが、先輩の思いも込めた」と力強く語る▼新型コロナは、季節性インフルエンザと同じく「5類」に引き下げるため、20日にも関係閣僚会議が開かれる。世の中も変わるだろう。だが奪われた青春を忘れてはいけない。