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『木曜日にはココアを』

著 者:青山美智子
出版社:宝島社
価 格:704円(税込み)

※紹介する人:上野台麻子さん

カフェを舞台に紡がれる甘く優しい12の短編物語
 静かな住宅街の隅にある『マーブル・カフェ』。そこに勤める「僕」は、あるお客さんに恋をしていた。
その名は「ココア」さん。本当の名前を知らないので勝手にそう呼んでいるのだが、それには理由があった。彼女がカフェを訪れるのは決まって木曜日で、そして必ずココアをオーダーするのだ。
 とある木曜日、いつものようにカフェを訪れたココアさんだったが、様子がいつもと違い、見るからにぐったりしていた。オーダーはお決まりのココアだったが、僕は見てしまった、ココアさんの頬を涙が伝っているのを。果たして涙の理由とは?
 本書は『マーブル・カフェ』を舞台に12の物語が紡がれていき、それぞれ短編としても楽しめるように構成されています。いずれもココアを飲んだ後のように甘く優しくほっとできて、心温まる1冊です。
 (鹿島ブックセンター勤務)

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