『村でいちばんの首吊りの木』
著 者:辻 真先
出版社:実業之日本社
価 格:737円(税込み)
死体の女と同居していた男が失踪。事件の真相は
名古屋にある、あるマンションの一室で若い女の死体が見つかった。女の名は久留島晴子といい、手首を切断された状態で亡くなっていた。
第一発見者は晴子の恋人と思われる男、弘一の母親と、晴子と同会社の者だと名乗る深見敏樹。互いに晴子を訪ね、そのマンションを訪れた際に鉢合わせた2人だった。
弘一の母親は、奥飛騨の雪深い寒村から息子を訪ねて名古屋にやってきていた。弘一と宗夫という2人の息子がいて、どちらも医者にさせるために頑張ってきたのに、長男の弘一を訪ねると留守で、晴子という女の影を察し女の所にいるのだろうと訪ねた際、事件に遭遇したのだ。
当の弘一は事件後、行方知れずとなり、はたして事件の真相とは?
長男弘一の無実を信じる母親と医学部受験を控えた次男宗夫との間で交わされる手紙といった形で進むストーリー。一言一言を見逃さず、事件の真相を追ってほしい1冊です。
(鹿島ブックセンター勤務)
※紹介する人:上野台麻子さん