『光と闇と色のことば辞典』
著:山口 謠司
色監修:桜井 輝子
絵:飯田 文香
想像力をくすぐられる言葉の豊かさに満ちた本
光と闇、この言葉を別な表現で言い換えるとしたらどのような言葉になるでしょうか。「白黒」「明暗」「朝と夜」といった言葉が思い浮かぶかもしれません。
今回は「ことば」の豊かさに満ちた一冊をご紹介します。
光と闇も様々なことばで古来より表現されてきました。空気が澄み、涼しい風が吹く秋の日差し「秋陽(しゅうよう)」、月の出ない晴れた夜のかすかな明るさは「夜天光(やてんこう)」、ずっと暗い闇のことを「つつ闇(やみ)」。
季節や時間、自然風景や心情と合わさって表現された言葉はとてもファンタジックな感情に包まれます。
色をあらわす言葉も素敵な響きばかり。「今様色(いまよういろ)」「濡れ烏(ぬれがらす)」など繊細な色の違いを由来と合わせて知れば、世界の見え方が変わるかもしれません。
読んでいるだけで想像力をくすぐられる楽しい一冊。俳句や小説、イラストなどの創作のヒントにもおすすめです。
(ヤマニ書房本店勤務)
※紹介する人:内藤ともみさん