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『霜月記』

著 者:砂原浩太朗
出版社:講談社
価 格:1760円(税込み)

失踪した父に代わって町奉行になった18歳の活躍
 神山藩で代々町奉行を務めてきた武家・草壁家の当主、藤右衛門の突然の失踪により、一人息子の総次郎は、まだ18歳の若さで奉行職を継ぐことになってしまう。
 着任して間もなく、城下の遊里・柳町で殺人事件が起こる。殺されたのは、廻船問屋「信濃屋」の元・三番番頭で彦五郎という男。そして亡骸の側には、失踪した父・藤右衛門の持ち物によく似た根付が残されていた。
 総次郎は、先々代の奉行である祖父・左太夫や筆頭与力・喜兵衛、竹馬の友である武四郎の助けを借りて事件の解明に乗り出す。
 調べを進めるうち、港町・富由里に父が向かったらしいことが判明。一方、殺された彦五郎が奉公していた信濃屋は富由里で北前船の差配を一手に握る、城下きっての大店である。2つの事柄に関連性はあるのか、そして彦五郎を殺害した犯人の正体とは……?
 名判官と謳われた祖父とその後を継いだ父、父の出奔によって突然家督を継いだ若き町奉行。親子三世代それぞれの想いや葛藤が胸に沁みる、味わい深い時代小説です。
 (鹿島ブックセンター勤務)

※紹介する人:八巻明日香さん

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