いのちを描く ボタニカルアートの世界(トガリアミガサタケ)
ハチの巣状の網目が特徴
満開の桜もたちまち過ぎて花びらが地上を覆う頃になるとアミガサタケが出てくる。近場の公園には毎年決まってアミガサタケやチャアミガサタケ、オオアミガサタケが発生していたが、ここ数年はその数が減って昨年は数本ほどになっていた。
今年はどうだろうかと危惧していたところに、アミガサタケがたきさん出ているとの情報が入った。頼み込んで数本を取ってきてもらったところ、それはアミガサタケではなく、トガリアミガサタケであった。トガリアミガサタケは記録上、市内での第3例目になる。
アミガサタケ科のキノコはハチの巣状の凹凸のある頭部と太い柄からなり、春、林内地上に発生する。大きいものや小さなもの、色もベージュから網目の部分が黒茶色のものまでいろいろあるが、基本的な姿は同じで、欧米では『モレル』と呼ばれて食用にされている。
一度食べてみたが、網目の箇所に砂が詰まっていてなかなか取れず苦労したし、いざ煮てみるといつまでも硬かったり、口に入れるとゴムの味がしたり、と口に合わなかった。欧米ではスープなどに煮込んで食べるらしい。せっかくなので、春を代表するキノコとしてスミレとのコラボで絵にしてみた。