12日に木村眼科研修センター(豊間)で映画上映
ナウシカのような人に出逢った――。造園技師の矢野智徳さん(昭和31年~、山梨県在住)が全国各地で行っている大地再生の取り組みを3年間にわたり取材した、ドキュメンタリー映画「杜人(もりびと)――環境再生医 矢野智徳の挑戦」(前田せつ子監督・リンカランフィルムズ制作・配給)のいわき上映会が12日、平豊間の木村眼科クリニック研修センター「兎渡路の家」で開かれる。事前予約制で、現在、観覧希望者を募っている。
矢野さんは福岡県北九州市出身。大学で自然地理学を学び、阪神淡路大震災をきっかけに、環境改善施工の新しい手法に取り組み始めた。
平成11年、元日本地理学会会長中村和郎教授らとともにNPO杜の会を設立。現代土木建築工法の裏に潜む環境問題にメスを入れ、その改善予防を提案。足元の住環境から奥山の自然環境の改善までを、作業を通して学ぶ「大地の再生」講座を全国で開催している。
「土砂崩れは大地の深呼吸。息を塞がれた自然の最後の抵抗」という矢野さん。いわき上映会を主催したのは、矢野さんの言葉や生き方に共鳴した、木村眼科副理事長の木村恵子さん、高校教師の大森由美子さん、ヨガインストラクターの藁谷弘子さんの3人だ。大森さんは3年前の東日本台風による水害で被災。「実際にこんなことが起きるんだ」と衝撃を受けた。「利便性ばかりを追求せず、みんなが少しずつの我慢をすれば良好な生態バランスを取り戻せるのでは」と考え、自然と共に生きるすべを伝える同作に「賛同してくれる人が増えてほしい」と期待を寄せている。
予約・問い合わせは木村さん=090(6178)8168まで。