彫刻家・佐藤忠良の企画展始まる 市立美術館 いわきゆかりの作品も
彫刻家・佐藤忠良(1912~2011)の作品世界を紹介する企画展「生誕110年 傑作誕生・佐藤忠良」が5日から、市立美術館で開かれている。同展では、戦後日本の具象彫刻を代表する佐藤が手がけた3つの傑作に焦点を当て、〝日本人の手で初めて日本人の顔を表現した〟と高く評価された「群馬の人」、身体と衣服によって生まれる形態の均衡を意識した「帽子・夏」、動感描写とリズミカルな場面展開で三世代にわたり読み継がれているロングセラー絵本『おおきなかぶ』の誕生背景を、彫刻、素描、絵本原画など約250点で振り返る。同館主催、会期は12月18日まで。
佐藤は宮城県生まれ。1952~53年にかけ、常磐炭礦の依頼で、内郷山神社の屋外彫刻「母子想」を制作。54、56年にはスケッチのため、市内炭鉱をたびたび訪れ、セメント彫刻「常磐の大工」を手掛けたほか、市立美術館の立ち上げにもかかわり、自作品のほか新規収蔵品の選定評価委員を務めた。
この流れから、同館所蔵の「炭鉱スケッチ」12点が出品されている(期間中、6点ずつ展示)。開館時間は午前9時半~午後5時(最終入場は同4時半)。月曜休館。観覧料は一般1000円、高校・高専・大学生500円、小・中学生300円。