アクアマリンふくしま 「ゲンゲ」2種を国内初展示 深海の多様性に触れて
ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」に、新たに大小2種類のゲンゲが仲間入りした。体長約10センチながら成魚の「ヤワラゲンゲ」2匹と、体長60センチの「カムチャッカゲンゲ」で、いずれも国内初の展示といい、生きた姿を見られるのは大変貴重とされる。
ヤワラゲンゲは主にオホーツク海におり、日本では北海道・オホーツク海の水深1千メートル以深に生息する。小型な上に、ゼラチン質で体表が弱いため、同館では漁網に生きてかかったのは奇跡的と説明している。生態も良く分かっておらず、飼育による解明を目指している。
カムチャッカゲンゲは北西太平洋固有種で、ロシア・カムチャッカ半島、千島列島、北海道~茨城県沖の水深70~1950メートルに分布する。こちらも体表が柔らかいため、深海から引き上げる際に傷付きやすく、死なずに水揚げされることはまれという。ひらひらと泳ぐ姿が目を引き、オキアミ類を主食とするとされるが、詳しい生態は判明していない。
共に展示場所は、本館2階「親潮アイスボックス」。担当する日比野麻衣・主任技師は「一口にゲンゲと言っても、これだけの違いがある。深海の多様性に触れてもらえれば」と話している。