今年は8月にビア博いわき開催へ 昨年は7千人集める「原点は地域活性化」
クラフトビールに関して、いわき市では草分け的存在と言える、JRいわき駅前のBarQuartet(バーカルテット)店主・紋波幸太郎さん(41)。10年前にクラフトビールと出会ったのをきっかけに、自らの店舗でも提供するようになった。当時はブルワリー(醸造所)の数が少なかったが、「自分が飲んでおいしいものを、お客さまにも飲んでほしい」との考えから、積極的に取り扱ってきた。
平成28年9月からは、クラフトビールを通じた地域活性化を図るイベント「ビア博いわき」を企画し、実行委員会代表を務める。「あんなにも多くのお客さまに、会場に足を運んでいただけるとは思わなかった」。紋波さんは昨年7月に平字三崎の平中央公園で、3年ぶりに開かれたビア博の成功を振り返る。
新型コロナウイルス感染症の影響で、令和2年は中止に追い込まれ、翌3年も9月に開催を決めるも、直前になって、まん延防止等重点措置の発令に伴い取りやめを決めたため、会場に詰め掛けた来場者を見て感無量だった。3日間で約7千人が訪れ、全国各地のクラフトビールを飲みながら、市内の飲食店が腕を振るった逸品に舌鼓を打った。
首都圏を中心に、クラフトビールを集めた「ビアフェス」が行われる中で、紋波さんは飲食店の立場から、東日本大震災・東京電力福島第一原発事故からの復興を図る古里のため、いわき市でも同じような催しができないかと、ビア博いわきを立ち上げた。
今年は8月に、平中央公園で6回目となるビア博を予定している。「昨年は予想を上回る来場者の数だったため、購入に制限をかけざるを得なかった。その点はお詫び申し上げます」と紋波さん。列が長蛇にならないよう、ブースで必要なチケットも含め、いまからより良い環境の構築を進めている。
なにより大切にしたいのは、ビア博の原点である地域活性化だ。「ビア博の後は、ぜひ平の街に繰り出してほしい」。参加する飲食店とも連携し、平中心市街地に盛り上がりを作ると誓う。(本紙から抜粋しています)