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いわき避難者訴訟原告団長・早川篤雄さん死去 反原発貫いた住職

 東京電力福島第一原発事故を巡り、双葉郡の住民らが平成24年12月、東電に損害賠償を求めて、地裁いわき支部に集団訴訟を起こした「いわき避難者訴訟」の原告団長で、双葉郡楢葉町の宝鏡寺住職・早川篤雄(はやかわ・とくお)さんが昨年12月29日午後5時45分、肺気腫のため、いわき市内の病院で死去した。83歳。
 自宅は楢葉町大谷字西台58。通夜は6日午後6時、告別式は7日午前11時から同寺で。喪主は長男貫之(やすゆき)さん。
 早川さんは、いわき市の高校で教員を務めていた昭和47年、公害問題の住民組織に加わり、それから半世紀にわたって、福島第二原発が立地する楢葉町で、反原発の運動を続け、一貫して原発の危険性を訴えてきた。
 いわき避難者訴訟は、ふるさと喪失や津波予見性が争点となり、二審の仙台高裁判決として、国の基準を上回る計約7億3千万円の賠償が、昨年3月に最高裁で確定。東電は同年6月、小早川智明社長名で謝罪した。
 原発事故に関して、市民が国と東電を相手取った「いわき市民訴訟」の原告団長で、50年来の親交を持つ伊東達也さん(81)は、「(入院した昨年)12月に電話をした時は、早く元気になるよう声をかけたばかり。原発を無くしたいという崇高な理念を持ち続け、志半ばで命尽きてしまった」と肩を落とす。
 市民訴訟と避難者訴訟は共に闘ってきた。市民訴訟の仙台高裁・二審判決が3月10日に控えており、早川さんは「次は市民訴訟を応援する番」と、入院先にも関係資料を持ち込んでいた。二審判決では、国の責任を認めることに期待を寄せていたという。
 伊東さんは「東電から初めて正式な謝罪を引き出し、賠償基準の中間指針も見直された」と、これまでの成果をたたえ、3月には良い結果を報告したいと語った。

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